活動記事

2002年12月18日
平成14年度 第1回地域ITS研究会
日 時:平成14年12月18日(水)
場 所:(財)北海道道路管理技術センター 会議室

 

話題提供1
北海道のITSの取組みについて
近添 幸司 様
(北海道開発局道路計画課 第1調査係長)

発表の様子

討議風景

1)北海道の地域課題とその対応  北海道におけるITSでは、

①冬への対応、②防災・安全への対応、③地域の活性化・観光の支援、④渋滞・沿道環境への対応、⑤安心・快適な生活環境の支援の地域課題に取組んでおり、なかでも①②③は、北海道特有の課題である。

2)道内のITS取組み事例  

北海道開発局の取組み事例として、①冬期におけるITS(7事例)、②安全に関するITS(2事例)、③観光を支援するITS(2事例)、④その他(1事例)についての事例ごとに紹介。

3)ITS実現に向けた取組み  

通信基盤の地域格差の解消、情報機器の利用が不慣れな人への対応などについての取組み事例の紹介。

4)北海道のITS推進  

今後の推進のためには、既存研究会や関係者との連携や、官民で連携したITSの運用方策、および共通基盤の有効活用などが重要。ITS活用による今後のポイントとして、問題解決型によるITS展開を図り、短中期において実現可能なものを集中的に実施するとともに、道路情報だけではなく地域情報の一体的な情報の発信が重要である。

意見交換会
北海道のITSについて、各会員の立場からの意見交換が行なわれた。

  • 北海道開発局の実施事例における連携や既存システムついては、今後、道路通信標準などに準拠して相互の連携を考えている。
  • 北海道開発局の実施事例の効果、評価方法については、主としてアンケートにより行なっている。今後は、価値を定量化するような評価手法の確立が必要である。
  • 現在、ITSは曲がり角を迎えている。ここ2~3年が岐路であり、ニーズに裏付けられたITSを確立しなければならない。またITSは、かなりの部分で民間との連携が必要であり、マーケットに乗るものでなければならない。
  • これまでともすればシーズがあるからITSを実施するという点も見受けられたが、今後はニーズが重要である。
  • 例えば所用時間情報や路面情報など、市民がお金を出してでも必要と感じる情報提供が必要である。
  • 市民が必要と考える情報を把握する手法について、ヒアリング調査などが大切である。
  • 官が持っている情報を民間に公開し、情報の活用アイデアを募集して、よいアイデアには開発費を補助するというような取組みをしてはどうか。
  • ITSは人・道路・車が対象であるが、「車」への対応事例や活用事例が少ないと思う。
  • GPS対応のタクシーによる路面情報の収集実験を行っている。これは、車の挙動データから路面の摩擦係数を推定するという試みであり、なかなか困難な状況ではあるが、ある程度のサンプルが得られれば可能だと思う。
  • 官の情報だけではなく、タクシー、バスなど民間からの情報を利用し、より有効なシステムの構築が必要である。
  • すべてが官側による整備ではなく、市民ニーズと道路管理者の果たすべき役割のバランスを見極める必要があるが、民側への負担をどこまでお願いできるのか、官側もどこまで補助できるのか決めかねているのが現状である。
  • 今回の会議にはスーツを着て、ネクタイを締めた方々ばかりが参加しているが、市民の声を反映するためにはいろいろの方の声を聞くことが大切である。 ・今後は、交通管理者などとの連携も考える必要がある。