活動記事

2004年3月12日
平成15年度 第3回地域ITS研究会
日 時:平成16年3月12日(金)
場 所:(財)北海道道路管理技術センター 会議室

 

話題提供1
インターネットITS協議会の最近の状況について
滝谷 克幸 様
(日本気象協会MICOS本部 MICOS企画部 部長)

発表の様子

討議風景

次世代インターネット技術を活用して、ITSビジネスの創出・活性化に取り組んでいる協議会の活動状況についてご紹介いただきました。

  • インターネットITS協議会(以下IIC)は、2002年10月に設立され、現在113団体が参加している。
  • IICではIpv6情報基盤によるオープンでシームレスな情報プラットフォームの構築、異業種間のコラボレーションによる新たなビジネスの創造を目指している。
  • IICは、総会、幹事会のもとアプリケーション部会、プラットフォーム部会、実用化実験部会、基礎研究部会の4つの部会がある。部会にはそれぞれにワーキング、サブワーキングがある。
  • アプリケーション部会では主に、アンケートによるニーズ調査などから、ビジネスアイディアを醸成し、ビジネスモデル
  • 要求仕様を策定している。
  • 部会内の情報は、次のビジネスにつながる情報であるため基本的には公開はしていない。
  • プラットフォーム部会では、インターネットITSを支えるオープンなプラットフォーム(基盤となる技術)の仕様を策定している。
  • 実用化実験部会では、アプリケーション部会、プラットフォーム部会から引き継いだ要求仕様をビジネスにつなげる実験を行っている。
  • 基礎活動は、包括的なインターネットITSの標準化仕様の普及について促進活動を行っている。
  • IICは経済産業省のバックアップを受けているが、基本的には、会員の負担で活動を行っているため、部会内の活動成果をビジネスにつなげることは自由である。
  • IICでは、2004年世界ITS会議にて、体験ツアー、ショウケースのデモを具体的に検討している。
  • 気象協会ではAP部会にて、プローブカーを用いた情報と気象データを融合
  • 加工し、付加価値のある情報として車への気象コンテンツを提供するという取組みを行っている。
  • プローブ情報については、プローブ情報SWGにて、データ活用の実現性、利用価値(ニーズ)の検討、実証実験仕様の検討を行っている。
  • プローブ情報の対象としては、位置、ワイパー強度、ABSなどの情報から、降雨・降雪、路面状況など、ドライバーが運転しづらいと感じる情報に加工する取組みを行っている。
  • 横風情報は、情報の利用が限定されるため、ビジネスに結びつきづらい。また、大気汚染は、プローブでの情報収集が難しいことから、収集対象外としている。
  • 車への気象コンテンツの提供では、車の位置情報を携帯電話、無線通信システム(DSRC)などで受信し、目的地や経路の天気、渋滞などのダイナミックルートガイダンスなどを提供する実験を行っている。
話題提供2
ASPモデルによる車両位置情報提供ソリューションについて
高田 博 様
(沖電気工業株式会社システムソリューションカンパニー 交通システム本部 事業政策推進課 課長)

コストパフォーマンスに優れたASP車両位置情報収集サービスの概要、およびそれを活用した様々なビジネスモデルについてご紹介いただきました。

  • ASP車両位置情報収集システムは、センターで収集したGPS位置・車両情報をインターネット経由で配信するサービスである。
  • ASP事業者がシステムを保守管理するため、利用者は設備投資、維持管理を負担する必要がない。
  • 費用負担が少ないため、導入・継続が容易である。バスロケーション、運行管理との連携が図れるなどシステムの柔軟性が高い。常に新しいメディアや最安値のサービスに柔軟に対応できることが特徴である。
  • 車両位置情報、プローブデータのダウンロードは、標準的なパケット通信網やインターネット網を活用している。
  • プローブ対応情報収集は、1台あたり月額約8500円からサービス提供している。
  • ジャイロ情報にも対応しているので、GPS不感エリアでの情報収集が可能である。
  • バスロケ対応をはじめとする、各種カスタマイズにも対応し、柔軟なシステム構築を実現している。
  • 会津若松、三重で、ASPをバスロケーションシステムに活用しているほか、全国で多くの導入事例がある。
  • 札幌市の場合、ASPを除雪管理システムとして活用することにより、効率的な人員配置など作業の向上を図るなど有効な利用方法がある。
  • この際、車載機に操作ボタンを取り付けることにより、車両状態をセンターに通知するなど、さまざまなシステム拡張が可能である。

意見交換会
2件の話題提供の後、主に次のような内容に関して意見が交わされました。

1)話題提供①について

  • ITS協議会での活動にかかわる参加企業の費用
  • ITS協議会の参加企業間での情報交換や、参加していない非会員企業への情報公開について
  • 各WG及びSWGでの活動の温度差や、参加企業の取り組み状況について
  • ITS協議会のWG、SWGでの取得データの扱いなど

2)話題提供②

  • APS車両位置情報収集システムの特に目新しい活用実績と、北海道を中心として今後展開できそうな活用アイデアなどの意見
  • APS車両位置情報収集システムを取り入れた場合の費用について
  • 取り付ける車両側でのメンテナンスや車載器の設定条件の変更についての対応など