活動記事

2006年2月15日
平成17年度 第4回地域ITS研究会
日 時:平成18年2月15日(水)
場 所:(財)北海道道路管理技術センター 会議室

 

話題提供1
北海道観光の最近の動向について
宮越 知章 様
(北海道 経済部 観光のくにづくり推進室 観光戦略グループ(観光統計) 主査)

話題提供者:向かって左から宮越様,今井様,藤田様

今来道観光客・道内観光客・外国人観光客の状況(観光の目的、観光地、移動の手段、必要な情報)についてお話を頂きました。

  • 北海道への観光客に占める外国人はここ1,2年ほど急増している(H15年29.4万人、H16年42.7万人)
  • 来道観光客の旅行目的の最近の上位は「自然観賞」「温泉・保養」「都市見物」となっており、「特産品の買い物・飲食」は減りつつある。
  • 団体旅行は近年3割以下に減り、個人や小グループでの旅行が増加している。
  • 旅行日程は短くなり(2泊3日が増加)、リピーターが増加(全体の7割)を占めている。 ・同様にレンタカー利用、鉄道利用が増加してきている。
  • 世代に関わらず「食」「自然景観」「温泉」に強い志向がある一方で、宿泊施設に対する不満は「食」に対するものが多い。
  • 北海道の宿泊施設では、他の地域に比べて宿泊単価が安い傾向にある。

当日の開催風景
話題提供2
国際航路網の拡充について
今井 陸郎 様
(北海道 企画振興部 交通企画室参事 国際航空グループ(総括) 主査)

国際航路の拡充施策や最近の動向についてお話頂きました。

  • 現在、千歳空港から海外への就航は、東アジア及び豪州などであり、欧米への運行再開・就航の要請を行っている。
  • 平成17年度の定期便・チャーター便を合わせた国際線利用客は約62万人で前年より約10万人増加している。なお、平成17年度の国際貨物便は5,512トンであった。
  • 国際チャーター便数は年々増加し、平成17年度は3,271便(うち外国人対象は3,073便)であった。
  • 国際線の外国人乗降客数は、約60%が台湾からで、次いで香港、韓国が多くなっている。
話題提供3
最近の旅行傾向について
藤田 栄一 様
(北海道 後志支庁 経済部 商工労働観光課 係長)

オーストラリアスキーツアー客の旅行傾向、スキー場間移動時の手段・利用情報などについてお話頂きました。

  • 全道の外国人旅行者数では、豪州は4位であるが、後志では豪州からの旅行者が第1位と特異的になっている。また、豪州旅行者の延べ宿泊数はここ最近急増している。
  • 豪州旅行者の宿泊数は、倶知安で平均10.7泊であり、他の道内観光地域の1~2泊程度に比較して、長期滞在であることが目立つ。
  • 倶知安において豪州旅行者が多くなった経緯として、豪州からの在住者による宣伝誘致活動、現地旅行会社の積極的売込み、口コミやインターネット、雪質と降雪量、渡航費用、バカンスシーズン、異文化への興味、直行便の就航によるところが大きい。
  • 倶知安町に在住する豪州人からの要望事項としては、定期便の再開、ブロードバンド環境の整備、ATMの設置、カード利用、歩道など周辺施設の整備、スキー以外のオプションの充実が多い。
  • 後志地域では、ニセコ山麓をめぐる連絡バス、旅行会社によるオプショナルツアー(小樽など他の地域へのミニツアー)を提供し、これに対応している。

(意見交換)

以下の意見交換がありました。

  • シンガポール及び香港からの旅行者にはレンタカー利用を進めているようだが、その実績は不明である。
  • 北の道ナビでは、英語・韓国語・中国語バージョンを充実させており、その問い合わせも多くなってきている。
  • 外国人旅行者の目線から見ると、色々と障壁となっているものがあるかもしれない。道路では一つ一つ解決する必要があるし、公共交通にうまく誘導する必要もある。また、外国人旅行者が旅行計画を立てる時点からのサポートが必要と思う。
  • ハイテクとローテクの組み合わせが必要。何もかもデジタル・ITではないと考える。
  • 新千歳空港では、インターチェンジから空港までの一般道の渋滞が課題になっている。
  • 旅行に出発する前のおおまかな情報、現地では詳細な情報など、旅行者のそれぞれのシチュエーションに合った情報が必要。特に、ヒラフに到着してからインターネットで入手できる情報が少ない。
  • 宿泊施設からの要望では、バスの遅延情報の要望が特に冬に多い。
  • これまで行政機関は住民の意見は聞いてきたが、これまで旅行者の要望を聞くことは少なかった。
  • 旅行者を対象に観光、特にルートの不便さに関わる意見を引き出すことが必要である。
  • レンタカーが使いやすい空港にする工夫が必要。国内の他の空港とは違い、北海道らしくグローバルスタンダードな空港の造り方が求められる。
  • 外国人や個人の旅行客では、多少、料金が高くても良いサービスを受けたいという人がいる。
  • 倶知安と富良野の観光協会でタイアップしてはどうか。
  • 冬のニセコでは、外国人スキーヤーが吹雪の道路を良く歩いていて、危ないと感じることがある。
  • 特定の外国人に旅行に来てもらいたければ、その国の人に実際に住んでもらうという考え方がある。
  • 標識類に多数の外国語表記が増えるとデザイン性が薄れ、かえって北海道らしさを失う可能性があるので、イラスト化・図化の工夫も必要である。