活動記事

2023年7月13日
令和5年度 第1回 北海道ITS推進フォーラム講演会
日 時:令和5年7月13日(木) 15時30分~17時00分
場 所:かでる2・7 かでる710会議室およびオンライン(Zoom)

 

講演
冬期の自動運転
萩原 亨 様(北海道大学 大学院工学研究院 教授)

「冬期の自動運転」と題しまして、最新の研究成果や国内外の取組みについてご講演をいただきました。

自動運転に関する取組は、平成29年「新道路技術会議」で生活空間を支える技術の一つとして位置付けられ研究がスタートし、令和5年からデジタルツインによる冬期道路交通マネジメントの技術開発として冬期の自動運転環境のレベルアップを図るための視点から新たな研究がスタートし、今後さらに発展していく状況であるとのことです。

自動運転の対象車両は大きく5つに分けられ(①一般車両、②低速小型バス、③大型バス・トラックなど、④工事車両・除雪車など、⑤農業機械)、それぞれの分野で取組がなされているとのことです。本講演の前半では、一般車両について冬期の自動運転の課題としてあげられるODD(Operational Design Domain)に関する研究成果を中心にご講演をいただきました。後半は、除雪車の自動運転や自動運転バスの取組みについてご紹介いただきました。

まず、一般車両の自動運転は、ODD(運行設計領域)をどのように設定するかが重要となるとのことです。このODDは機械による運転の適用可否を道路条件・地理条件・環境条件から設定し、現時点では冬期の道路環境への適用は行われていないのが状況です。

特に冬期の道路条件や環境条件はダイナミックに変化し、路面状態(路面摩擦係数)や吹雪による視界、路肩の堆雪状況などから自動運転の適用可否を判断していく基礎技術が必要とのことで、冬期の路面摩擦係数とACC(Adaptive Cruise Control)の関係、冬期の走行位置と道路幅員の関係などの研究成果のご紹介をいただきました。自動運転システムが自動的かつダイナミック制御ができるようになることで冬期のODDを設定することは将来可能になるとのことです。

後半には、北海道開発局が進めるi-Snowでの除雪車両の自動運転、海外事例として空港での除雪機械自動運転のYetiプロジェクトについて、さらにフランスのBOLDRY自動運転バスの取組みなど最新の自動運転技術のご紹介をいただきました。

除雪オペレータの不足や地方都市のタクシー運転手の高齢化など様々な社会課題の解決に向けた自動運転技術の開発・発展が行われると同時に、それらを賢く利用する戦略や政策がとくに重要となってくるとのことです。

最後の質疑応答では、自動運転社会が交通事故削減に与える効果や影響について、冬期の自動運転を実現していくうえで必要となるモニタリングデータを管理するプラットフォームやバーチャル環境上に構築する雪氷物理モデルの構想についてなど、多岐にわたる意見交換が活発に行われました。

積雪寒冷地における自動運転社会に向けた、最新技術の動向や今後の展開ついてご教示いただき大変有意義なご講演となりました。



講演の模様


総会の模様