活動記事

2003年2月27日
平成14年度 第3回地域ITS研究会
日 時:平成15年2月27日(金)
場 所:(財)北海道道路管理技術センター 会議室

 

話題提供1
ドライブ観光支援の情報提供のあり方
有山 忠男 様
(株式会社ライブ環境計画 代表取締役社長)

広域ドライブ観光に関する総合道案内システム~iセンターネットワークシステム~について、社会実験の概要、組織体制、目指している将来像などについてご紹介いただいた。

  • イギリスやドイツなどでは、市内に多くの観光案内施設があるが、日本では観光案内の施設が少ない。また、市町村間の広域な案内をする施設はほとんどない。
  • iネットシステムは、インターネットを利用して地域の案内所の横のつながりを持たせたシステムである。
  • iネットシステムの実現には、地域情報と行政からの情報をコーディネートする組織が必要である。
  • 情報の発信源としては、観光団体、民間企業のほか、地域に密着した情報(景色のいい場所、釣り場情報など)が大切になってくる。
  • 将来的には関連グッズ販売などの収益事業で、市町村iセンターへの支援ができたら良いと考えている。
話題提供2
官民連携による沿道情報提供について
加治屋 安彦 様
(独立行政法人 北海道開発土木研究所 道路部 防災雪氷研究室長)

北海道の道路情報ポータルサイト「北の道ナビ」における様々な取り組みの紹介とともに、今後求められる官民連携による沿道情報の必要性について提言をいただいた。

  • 北の道ナビでは、現在地と目的地を入力することで、経路、距離、移動時間を検索できるサービスを実施している。また経路上の市町村の情報、道の駅の情報、景色の良いポイントの情報も提供している。
  • 平成15年度から本サービスのパートナーシップ・プログラムを本格的にスタートする予定である。
  • 「e街道」実験により、経路や位置に応じた情報提供は非常に有効であることが明らかになった。
  • 北海道開発局では北海道の沿道景観が観光の目的のひとつであることから、シーニックバイウェイ制度を導入するための検討委員会を設置している。
  • 沿道情報に求めるものは、道路利用者、民間事業者、道路管理者、地域関係者でそれぞれ違うため、これら4者のニーズを同時に満たすセンターサイトの構築が必要である。
  • センターサイトには、利用可能なデータの蓄積、創出ツールの提供、地域ITSサイト、市町村HP、観光協会HPのポータル機能などさまざまな役割が必要となってくる。
  • 札幌圏ITS推進フォーラムが官民連携による沿道情報提供の役割を担うことを提言する。

意見交換会

  • iネットシステムも北の道ナビもアクションは違うが、情報を共有する仕組みという点において、狙いは同じである。
  • iネットシステムで、実際に地域情報を集めると、情報の地域差があるという問題がある。
  • 官と民では情報の質が違う。官は広く公平な情報でなければならないが、一般観光客は宿泊施設のランキングなどの情報を求めている。
  • 情報の質、および質を保つための工夫がとても重要である。
  • 旅行者が直接書き込みできるような仕組みは生の声を反映できるため良い方法であるが、中傷的な意見もあるため、意見のより分け作業が必要となり大変な労力を伴なう。
  • お二方のご説明を聞いて、「現地とネットの一体感」や「中立的なコーデネイトの存在」が大切であるということがわかった。
  • 北海道において冬期道路情報や観光情報は移動者にとって必要な情報であり、全道的に情報提供されることが大切である。
  • 道の駅は、トイレと認識している人が多い。将来的には道の駅とiセンターの融合を図るのが望ましい。
  • 昔は、駅前に観光案内所があったが、現在は道の駅が観光の拠点となっており、ドライブ観光が栄えていく傾向にある。
  • iセンターは自動車利用者というより、移動者のためのサイトであると考えている。そのため道の駅のほか、主に駅、空港などの交通拠点にも設置したいと考えている。
  • 北海道の冬の気象は変化が激しいので、リアルタイム情報があっても目的地に着いた時には天候が変わっている場合がある。目的地に着く時間の予測情報などがあると良い。
  • 天候が悪化した場合に余儀なくされる待ち時間も、地域の情報があると有効に使える。
  • 表示、操作性、機能性の統一を図ると良い。同じ内容でも表示が違う場合があり利用者が混乱することがある。わかりやすいマークや情報をカテゴリー分類することが大切。
  • ⅰネットシステムは、平成15年度に、体制面、資金面の検討、ニーズ調査、ルールづくりを行ない、6月にサイト立ち上げを目標としている。平成16年度には地域組織として一本化する道筋をつけたいと考えている。
  • 札幌圏ITSフォーラムの研究会活動は、札幌圏という枠にとらわれることなく、ALL北海道としての取り組みが必要と考えている。