活動記事

2004年7月30日
平成16年度 第1回地域ITS研究会
日 時:平成16年7月30日(月)
場 所:(財)北海道道路管理技術センター 会議室

 

話題提供1
バスロケーションシステム『バスココ』について
岩館 宏胤 様
(小樽開発建設部 道路課 第2調査係)

発表の様子

討議風景

小樽開発建設部が北海道中央バスと協力し平成16年7月5日に運用開始した、バスの位置情報を、専用端末などを用いて利用者に提供するシステム「バスココ」についてご紹介いただきました。

  • 「バスココ」は、一般国道5号の交通・通行状況の基礎データ収集を行うバスロケーションシステムであり、車両位置・速度などの情報をリアルタイムで、収集することが可能である。現在、「高速いわない号」、「おたる散策バス」に導入している。
  • プローブカーシステムで収集可能な情報は、バスロケーションシステムに利用可能な情報と捉え、「バスココ」のシステム構築を行った。
  • 「バスココ」導入の背景として、小樽市内の交通の課題(交通混雑)、後志地域の都市間交通の課題(冬季の峠越え)、公共交通利用上の課題(バス待ちのイライラ)があり、バス交通を活性化し、交通環境の改善、地域再生の実現を目指している。
  • 「バスココ」は、札幌~岩内の「高速いわない号」34台、小樽市内を走行する「おたる散策バス」8台に導入している。
  • 対象期間は、端末・ホームページ、携帯電話への情報提供ともに、平成16年8月3日までの約2年間を予定している。
  • 「バスココ」導入による効果として、公共交通の利用増加、交通混雑の緩和、バス利用者の安心感の増加などが考えられる。

(意見交換)
「バスココ」に関する話題提供の後、次のような意見が交わされました。

  • イベント時に、携帯端末を持っていない方でも利用できるように、道の駅ラジオなどへの展開が有効ではないか。
  • 都市間交通のような長距離であれば、通信間隔は30秒で十分だと思うが、都市内交通の場合、もう少し間隔を短くした方が良いのではないか。
  • 通信間隔を10秒にすることも可能であるが、ランニングコストが大きくなってしまう通信間隔30秒でもタイムラグが発生しないように、少し早めに情報発信するなどの工夫をしている。
  • 時刻表と対比させ、今どのくらいバスが遅れているか、10分以上遅れているバスは赤く表示するなどの工夫をすると、バス利用者以外でも、道路の混雑状況把握に活用できるのではないか。
  • 「遅れ情報」の提供は、協力いただいているバス会社の了解が必要であり、現段階では難しい。
  • 「バスココ」の評価はどのように行うのか。
  • 季節ごとに、実際のバス利用者に聞き取り調査を行う予定である。
  • 利用客数に変化はあるか。
  • データを取り始めたばかりであり、今後集計、解析する予定である。
  • トンネルを通過する際に師匠となることはないか。
  • トンネルでは、一部通信できない箇所があるが、バス停間の距離があるため、現在の所問題とはなっていない。
  • バス利用者へのサービスの向上として理解していただいているが、バス会社内でも「バスココ」に対する温度差があり、良いサービスであることを認識していただく必要があると考えている。
  • 札幌では、バスが民営化になり、「バスが時間通りに来るようになった」という意見が聞かれる。「バスココ」のデータを蓄積していくことによって、時刻表の見直しなどに活用できるのではないか。
  • 「いわない号」、「おたる散策バス」をパッケージ化する事により、利用者、地域、バス会社にメリットがあるのではないか。
  • 自分が利用する前のバス停にバスが到着すると、メールが届くようなサービスも良いのではないか。函館ではこのようなサービスを実施していた。
  • 「いわない号」は、生活の為にバスを利用している方が多く、特に冬期間、バスの運行状況についての問い合わせが多かったが、「バスココ」でこれらの問い合わせが少なくなることが考えられる。
  • 実用したばかりであるが、「いつもバスの時間ぎりぎりに家を出るので、バスココで運行状況がわかるのは非常に助かる」というご意見をいただいている。
意見交換会
ITSに関するwebアンケートについて
丹治 和博 様
(北海道ITS推進フォーラム 地域ITS研究会担当幹事)

現在、地域ITS推進研究会で予定している、一般利用者を対象としたITSに関するwebアンケート調査について、3つの異なるアンケート案を元に、アンケート内容、結果の活用法などについて意見交換を行いました。

  • フォーラムとして、一般の方に聞くのであれば、子供用冊子を題材にしたアンケートが良いのではないか。
  • 全国版セカンドステージでは、災害対応などはあるが、冬の課題に対する内容はない。冬の多重衝突など、北海道特有の課題は地域で解決すると言う姿勢を持つべきであり、北海道ITS推進プランのセカンドステージのようなものが必要ではないか。
  • 現在の施策についてのPRはあまり必要ないのではないか、将来ビジョンについてアンケート内容にした方が良いと思う。
  • 子供用冊子を題材とした、北海道のセカンドステージに関するアンケートにするのが良いのではないか。
  • ETCは北海道で必要か?など、行政では聞くことのできない設問があっても良いのではないか。
  • アンケート結果をさまざまな所で活用できるような内容が望ましいのではないか。フォーラムで行ったアンケートの結果が、北海道の事情や課題を具体的に実証できるバックグラウンドとなる資料となるのが良い。 上記の意見を参考に、地域ITS研究会幹事で具体的なアンケート案を作成し、再度提案を行うこととしました。