活動記事

2005年10月21日
平成16年度 第3回地域ITS研究会
日 時:平成17年3月7日(月)
場 所:(財)北海道道路管理技術センター 会議室

 

話題提供1
プローブ情報システムによるデモ走行実験と意見交換会
中島 正明 様
( 日立製作所i.e.テレマティクス事業推進センタ 主管技師)
横山 滋 様
(インターネットITS協議会 調査開発部長)
宍戸 祐真 様
(インターネットITS協議会 企画部次長)
佐藤 雅明 様
(慶応大学 特別研究講師)
遠山 祥広 様
(慶応大学 特別研究講師)

発表の様子

討議風景
  1. プローブ情報システム搭載車両のデモ走行実験  プローブ情報システムを搭載した車両を見学するとともに、実際に走行し、システムの稼働状況やデータ取得状況を見学しました。
  2. 話題提供「プローブシステムの実用化へ」 (慶応大学 特別研究講師 佐藤雅明様)  プローブ情報システムによるオープンな車両情報と接続環境によって、新たに展開が考えることができるサービスや情報活用についてお話をいただきました。
  3. 話題提供「プローブ情報を用いた安全運転支援」 (インターネットITS協議会 調査研究部長 横山滋様)  プローブ情報の活用方法のひとつとして、車両挙動や天候情報にヒヤリハット地点をリンクさせ、車載システムを用いるドライバーへの安全走行支援策について、お話をいただきました。

(意見交換)
以上の見学会および話題提供をもとに以下の意見交換を行いました。

(プローブ情報によるデータ取得などについて)

  • 車両の横方向の挙動、道路のわだちやそろばん路面などの特殊な情報については、情報のニーズをもとに車両メーカー側で情報を生成し提供することになると思われる。
  • 車種が異なってもプローブ情報は同じように使えるが、車種ごとの個別の情報が必要となる。
  • ヒヤリハット箇所の検出結果の妥当性については、時系列や車種の点などから検証は必要。
  • プローブ情報への他のデータの付加については実験段階では可能である。

(路面の滑り摩擦について)

  • 路面の滑り摩擦係数については、実データとの検証は必要であるが、実際には滑りやすさ指数のような形で提供するのが妥当と思われる。
  • 路面の滑りやすさが簡単に検出(提供)できるシステムがあると良い。路面の滑りやすさが線的に分かるようになれば、積雪寒冷地の道路管理にかなり有効となるのではないか。この点では、オープンなプラットホームより、当面は閉じたシステムを目指すほうが良いのではないか。この場合、インターネットを用いるメリットを整理する必要がある。

(プローブ情報システムの活用について)

  • たとえばi-modeの知見から、ここでしか分からない情報、万が一の場合に有用な情報、情報を得られる安心感が課金に見合うサービスが重要と思われる。
  • 直前警告がわずらわしくならない工夫が必要。むしろ、出発地や目的地を入力することによってCO2排出量(環境負荷)と走行時間のバランスが運転者に分かるシステムのように、スマートな運転行動にメリットのあるシステムを目指すのが良いのではないか。また、初心者に安全ルートををガイダンスするシステムも考えられる。

(プローブ情報システムの地域への展開、官民連携について)

  • プローブ情報システムの統計データは官側で、ビジネスモデルは民側で有用性を考えることになる。
  • インターネットというオープンなプラットホームでプローブを行う意義として、ビジネスモデルは民側で考えるのがやはり妥当である。インターネットITS協議会としてはその呼び水となるビジネス環境を模索することになる。
  • プローブ情報のデータの品質を保障する何らかの組織が必要になるのではないか。
  • 地域での街づくりに活用できるストーリーが必要であるが、個々の民間ではビジネスモデルが描けない場合があり、官側の力も必要になる。たとえば、税収はや環境負荷軽減など。この点では自動車メーカーの力と官の関わり方が課題になると思われる。