ITS世界会議の開会式、セッション、展示の概要や、次回大会などの話題提供をしていただきました。
(1)会議概要の報告
- 会場 英国ロンドン エクセル
- ロンドン(ExCeL London)
- 会議登録者:75カ国 約3,000名、展示会来場者 約7000名 ・投稿論文数:約900(AP約250)
- 会議数 200以上(制度・政策、技術・研究、スペシャルセッションなど)
- 開会式では、アジア太平洋代表として、豊田ITS Japan会長、日本政府代表(総務省)、次回開催国の中国代表の挨拶があった。
- 展示会へは243の企業・団体が出展。日本からは18企業・団体が出展した。
- ロンドンでは渋滞課金やオイスターカードと呼ばれる非接触型ICカードによる公共交通システムなどが充実
- 次回大会は中国北京。
(2)会議に参加して
(北海道開発局建設部道路計画課 道路調査専門官 村上 睦様)
ITS世界会議に参加したセッションについての報告とイギリス連邦道路庁におけるITSの取り組み、イギリスにおける交通関連施設の紹介をしていただきました。
- 交通事故死0を目指す0ビジョンについて、車側の安全性への取り組み(日本、トヨタ)と利用者
- 家族への啓発による事故減少事例(アメリカ、ユタ州)の取り組みが紹介された。
- 環境をキーワードにしたITSの取り組み事例としてアメリカ(サンフランシスコ)と日本(名古屋)の事例が紹介された。 サンフランシスコの事例では、ITSシステム(スマートカード、ETC)導入によりB/Cは高くなっているが、排出量抑制自体は大きくない。しかしながら、環境面の効果が少ないからといっておろそかにできないというスタンス。
- 名古屋ではTDMの一環としてエコトラベルの実験をしている。鉄道などに乗り換えるとエコポイントがたまり買い物などで使えるシステム。
- イギリス連邦道慮局では民間組織と協力して道路利用者へ交通情報を提供するシステムや交通制御システムの統合化(UTMS)、既存の計測機器を有効活用した渋滞緩和プロジェクト(ATM)に取り組んでいる。
- イギリスでは横断歩道周辺に注意喚起を促す施設やハンプなどの車の流入抑制、ロードプライシングカメラなど整備が進んでいる。
- ロンドンの地下鉄はプリペイドカードが普及しており割引カードや他社への乗り換えもスムーズ。
【意見交換】
■日本メーカーの出展について
- デンソーはインカメラで瞬きを検知し居眠り運転を防止するシステムの展示を行っていた。
■中国の動向について
- 次回開催の中国では2008年北京五輪、2010年上海万博を控え、ITS Japanに留学生を派遣するなど意欲的。
- 中国の道路交通情報は欧州のRSTMCと日本のVICSの一騎打ちとなっている。 ■アジア・太平洋ITS会議について
- ITS アジア・太平洋会議において、アジアで世界会議が開催されない年にアジア・太平洋ITS会議を開催することが決定された。