活動記事
知床における取り組みをモデルケースに、地域協働によって生み出された地域観光の新たな魅力を、 多くの観光客へ伝えるツールとしてのITS技術の活用の可能性について述べられた。
また、地域協働と連動したITS技術の課題として、観光客や道路利用者へ効率的に情報提供可能なシステムの構築、 地域協働による情報の収集と情報提供のしくみや組織づくり、意見の発信者と受け手の人材育成が挙げられた。
第16回ITS世界会議は、スウェーデンのストックホルムで開催された。 開会式では、各国の代表からスピーチがあり、欧州は燃料の消費減、 環境負荷軽減に力点が、米国は、安全性に力点が置かれていた。
一方、日本は安全、効率、環境をバランス良く取り組む必要性が述べられていた。 その他に、研究発表、屋内展示、屋外展示、閉会式の状況が報告された。
北海道ITS推進フォーラムの設立発起人で、前幹事長の加治屋氏は、8月24日に肺ガンのため52歳で逝去した。 この報告では、北海道のITSフレームワークスタディ、寒地ITS研究会、地域ITS構想、峠の画像伝送システム、 北の道ナビ、RWML、スマート札幌ゆき情報実験、ニセコ羊蹄洞爺e街道実験など、 加治屋氏が長年に亘って取り組んできた、寒地ITSの研究開発の取り組みを振り返った。
道内外有識者と(株)ドーコンなどの道内企業による「北海道モビリティ研究会」では、 新たなまちづくりの手段、環境に配慮した移動手段として、コミュニティサイクル (自転車の共同利用)の実証実験を実施した。平成21年8~9月に、自転車共同利用実験「Poro-cle」 を新札幌駅エリアと都心エリアで実施し、無人自転車貸出機と携帯電話を利用した自転車管理システムを構築し、 貸出自転車の遠隔管理と実験運営を行った結果が報告された。
北海道の冬期道路管理は、①豪雪時の迅速な道路交通の確保、②日々の除雪の効率化・ コスト縮減という2つの観点が求められている。これらニーズに対応するため、 網走開発建設部ではICTを活用して、除雪作業の実態をリアルタイムに把握し、 作業状況に応じて除雪工区をシフトするなど、高度効率化に向けた除雪マネジメントに取り組んでいる。 本発表では、「豪雪時の迅速な対応」や「除雪作業時間の平準化」等、 より効率的で柔軟な作業体制の確立に向け検討概要が報告された。
マルチワンセグメントサービスは、地下街などテレビ放送を直接受信できないエリアへの効率的な再送信手段としての活用に加え、 多チャンネル機能により、平常時は地上デジタル放送のワンセグのほか地域に密着したきめ細かな情報を、 災害時にはエリアに特化した防災情報などの独自内容を放送することが可能なものであり、 洞爺湖サミットでのデモンストレーションの状況などが報告された。
札幌市内の公共交通機関(JR、地下鉄、市電、バス)の乗継経路や運行時刻などについて、札幌市が各交通事業者の協力を得て、 インターネット上で配信することにより、市民が公共交通の運行に関する諸情報を気軽に入手でき、 公共交通全体の利用が促進される。札幌市では平成15年度より、Website「さっぽろ・えき・バスナビ」上で、 これらの公共交通情報を提供していたが、最近、情報の充実を図り、デザインを一新した。 その概要(http://ekibus.city.sapporo.jp/)の紹介を行った。