活動記事
北海道内でも外国人観光客の受け入れに力を入れている富良野市では、地域で求められるサポートはどのようなものかをさぐり、 「ふらの街ぐるみナビ」を試験的に実施(平成21年1・2月)しました。この事業は平成20年度「国土交通省まちめぐりナビプロジェクト」 の指定事業として行われたものです。
主な事業として、①滞在型情報の提供、②情報拠点づくり、③情報配信サービスなどです。
①滞在型情報の収集は、観光・生活・環境情報を幅広く集め集約して「街ぐるみナビ・データベース」をつくりました。
②情報拠点は「トラベル・カフェ」を公募しホテル、レストラン、アウトドア関連企業などと、 既存の案内所の計15カ所を街の中に設置。このトラベル・カフェの利用者数は計3,531人でした。 アンケートの「必要と感じる情報媒体」の設問では、全員が対面式は必要と回答し、今後とも対面式の情報提供は欠かせないと思っています。
③配信サービスは、街ぐるみナビ・データベース、外国語による24時間コールセンター、外国人向けラジオ番組、 対面式直接案内の4つの方法を試みました。また貸し出し用受信ツールとしてパソコン、PDA(携帯情報端末)、携帯ラジオ、 携帯電話を用意しました。アンケートではこのシステムは「ぜひあってほしい」という方が95パーセントでした。
今後について、国際観光促進協議会としての事業は一旦終了しましたが、国際センター・ラジオふらの・グリーンステージが 三位一体となり継続します。運営経費は現在国際センターが発行している「ふらのダイニング&エンターテイメントガイド」のウェブ版を作成し、 有料でダウンロードしてもらうなど捻出方法を考えています。広域圏にも呼びかけて参加施設を増やし、情報を充実させ、 一人歩きや長期滞在を楽しむ外国人のお客様を、しっかりサポートできるシステムを確立していきたいと思います。
この意見交換の報告後、フロアから情報の更新時期についてなど数件の質問があり藤本氏は詳細を回答。事業発注側から 「富良野は対面型の情報提供を大切にして補助的にツールを活用している好ましい事例です。ぜひ継続を」等の期待が述べられました。
平成20年度に行われた「北海道における外国人ドライブ観光の推進方策検討調査」について結果の紹介をいただきました。
この調査はレンタカーで北海道観光を終えた外国人観光客を対象として、レンタカー窓口でのアンケート調査や地域事業者等へのヒアリングを行い、 外国人ドライバーの現状把握と課題検討を行ったものです。
調査からわかったことは、外国人ドライブ観光客の実態として・・・
①自国との交通ルールの相違に戸惑いがあり、とくに制限速度、一時停止、駐車禁止区域、一方通行が問題。
②日本の交通ルールを事前に学習しなかった人は24.8パーセント。
③団体観光客があまり訪れない地域を時間をかけて巡る傾向 等
一方、道内各地域受け入れ側の課題は・・・ ①緊急時の言語を含めたサポート対応が不安。英語以外の言語に対する対応の必要性。 ②エリアを越えてドライブルート上の関係者間の連携が必要。 ③地域のルールやマナーを伝えていくことが重要 等 調査後これらの内容をもとに、外国人観光客向け手引き『北海道ドライブまるわかりハンドブック』(日本語、英語、中国語、韓国語)、 受け入れ地域側向け手引き『外国人ドライブ観光客誘致・受入 事例解説集』を作成し配布しています。
なお、両手引きは北海道開発局のホームページにも掲載されています。