活動記事
北海道警察が導入している「現場急行支援システム(FAST)」について、システムの概要、期待される効果、今後の整備予定などについてご紹介をいただきました。 FASTは、信号制御を行うことにより、警察車両、救急車、消防車などの緊急車両が現場により早く到着できるように支援するシステムです。 システムの導入効果として、 ①警察車両が早期に現場に到着することによる検挙率の向上 ②救急車の早期到着、搬送による救命率の向上 ③緊急走行中における交差点での交通事故防止 などが挙げられます。実際に運用開始後一ヶ月間の測定では、旅行時間の約14% 短縮や赤信号通過回数の約38%減少などの効果が計測されています。道内では2011年3月末で、札幌市内 78.8km、旭川市内 11.7kmでシステムを運用しているということです。 札幌市市内における実際の使用状況について、平成23年11月のある一日のデータを見ると、35台の車両が本システムを利用し、内訳は救急車の利用が約95%、警察車両の使用が約5%ということで、救急車の使用が多いことなどをご紹介いただきました。
タイヤの振動から路面状態を判定する新技術について、コンセプトの概要、路面状態の判定技術、プロトタイプの開発状況、公道での実証実験の概要などについてご紹介をいただきました。 CAISとは Contact Area Information Sensingの略で、接地面のセンサ信号解析に基づくタイヤセンシング技術の総称です。 1990年代から世界各国で研究されてきたものの課題も多く、実用化に至ってないのが現状でした。今回、ブリジストンではこれらの課題を踏まえ、独自技術を開発して通常走行中、連続的に路面状態を判定するシステムを開発しました。また本システムの特徴のひとつとして、実用化を考慮して電磁誘導式のタイヤ内発電装置を開発したことが挙げられます。 この技術を利用し、雪氷巡回車用プロトタイプシステムを開発し、公道での精度検証実験を行ったところ、冬期路面状態の正答率が2009年に74%だったのに対して、改良を加えた2010年 は82%となり、精度向上が確認されました。今後は、路面管理現場での運用を通じて実用性評価と更なる改良を予定しているということです。 会場からの質問として、判定精度に影響を与えるファクター(舗装の種類、測定速度、タイヤの摩耗、タイヤ圧力、カーブなどの道路線形など)に関する質問や、設置する車輪や適用可能な車種に関する質問があり、活発な質疑応答が行われました。
現在の携帯電話ネットワークを利用して「どのような人が、どの時間帯に、どこにいるのか」といった、人口の地理的分布を推計できる「モバイル空間統計」についてご紹介をいただきました。
このモバイル空間統計では、FOMAのサービスエリアにおいて、年代別、男女別、居住地別に1時間単位のデータが取得可能ということです。なお取得データは個人特定が一切できないよう非識別化処理を行うとともに、秘匿処理も実施して人口統計情報として処理されているということです。
講演では、人の動きを把握することで、防災や産業、まちづくりなどのあらゆる分野での活用可能性として、具体的にどのような使い方があるか、イメージ化したデモンストレーションを交えて事例を分かりやすいご説明いただきました。
会場からの質問として、今後のサービスの予定、災害時における活用の可能性、パーソントリップ調査における活用の可能性などについて質問があり、活発な質疑応答が行われました。