活動記事
「北海道はICT分野からアプローチするITSを考えなければ、永遠にITSの消費地でしかない。」という危機意識のもと、北海道の地域特性を踏まえたITSが重要であることを具体事例を交えてご紹介いただきました。
現在、産学官の連携の中、高齢者の運転を支援する研究に取り組んでおり、歩行者検知などの各種センサとスマートフォンを通信で接続し、情報提供を行う実験を行っているとのことです。スマートフォンはノートPCと異なり、"ターン・キー"(スイッチを入れるとすぐに使える)を実現した利用者指向のツールであり、様々な情報提供の汎用端末として活用可能性が高いとのこと。また、センサとスマートフォンの通信プロトコルの標準化もカギで、標準的なWiFiインフラを活用するローカルネットワーク上での新しい情報サービス基盤の実現に向けての取組み状況や今後の展望などについてお話をいただきました。
また、人間には寝てる、座る、立つの3つの状態があり、立っている時にお金を使うので、ネット通販ではなく、ITで高齢者の活動をアシストして外出機会を増やしてお金を使ってもらうことが経済の活性化のために必要ではないかなどと、様々な話題を交え、時間の経過を忘れさせるご講演でした。
会場からは、プロトコルのオープン化の予定、実際の通信方法などに関する質問や今後、どこまで人をアシストするシステムがいいのかなどの質問があり、活発な意見交換が行われました。
岩見沢市が取組んでいるICT施策、ICT基盤やITビジネス特区、IT企業進出による雇用の創出など、市として積極的にITに取組んでいる現状についてご紹介をいただきました。
次いでICTサービスの利活用事例として、「地域児童見守りシステム」や「高齢者サポート」、「遠隔健康診断」などの具体的な事例についてご紹介をいただきました。
なかでも「地域児童見守りシステム」はICタグを児童に配布し、学校から下校するときに、これを検知して電子メールで父兄に通知するシステムで、父兄からも評判の高いものです。このシステムはH20国交省モビリティサポート事業として本州の自治体で活用されたり、道内では夕張市や滝川市も連携して活用するなどサービスが確実に広がっているとのことで、今後の様々なサービス展開の構想についてのお話をいただきました。
会場からは、地場企業の関与(メリット)について、システム活用者の評価(アンケート)の有無、システムの開発費やランニングコスト・受益者負担、情報管理の取組みと課題などについて質問があり、興味の高さがうかがえました。
最後に山本先生から、「シナリオ」、「夢のある解決策」、「これがあったら楽しいという発想」、「安心して動ける、遊べる、お金を使える」ことが重要とのコメントをいただきました。