活動記事
東日本大震災における道路交通確保とITSについて、ご講演をいただきました。
東日本大震災では多くの道路が損壊したものの、東北地方整備局の「くしの歯作戦」により、ほぼ1週間で国道の復旧を終えました。 それにはヘリコプターで被害の概要を早急把握できたことが大きかったとのことです。災害時は刻々(発災直後30分、1日、3日、1週間)と成すべきことが 変化するため臨機応変の対応が求められます。今回は、東北地方整備局長に各種の権限代行が与えられたことがプラスに機能したとのことです。 また、支援物資や工事車両や復旧資材などの輸送において、どの道路が使えるのか把握することは極めて重要ですが、 民間の自動車会社等のITSプローブデータを活用することで、どの道路を自動車が使っているか迅速に把握できたそうです。
一方、首都圏では首都高速が閉鎖のため大渋滞が発生し車での移動は不可能でした。また徒歩での帰宅者も途中のトイレなどの問題もあり、 結果として、会社に残ったのが正解だったそうです。また冗長性が安全保障のために必要であり、規格の高い道路は4車線必要であること (2車線閉鎖して住民が盛土上に避難した事例がある)や、緊急輸送路の確保や道路のネットワーク化を進めること。
人の命を守る耐災(=防災+減災)という考えが必要であることなどについて具体的事例を交えてわかりやすくご説明いただきました。