活動記事
今後の北海道における道路交通政策の在り方とITSの関わりについて、ご講演をいただきました。
講演では、交通政策を取り巻く最近の情勢について、日本のみならず欧米の動向もわかりやすく紹介していただきました。
従来、道路の事業評価には、B/Cが用いられてきており、数年前から防災を考慮したA/Cという指標も用いられています。しかし、対象とする災害は、道路が寸断されて都市が孤立するような大規模なものであり、大雪など、日常的に発生する小規模な災害への効果が評価されていないとのこと。このように近年、事業採択の基準として用いられている費用便益分析のひとつの限界は、公平性を評価できていないことであり、現在、公平性を考える指標として時間信頼性や地域補正係数などが議論されているということでした。
講演では、ネットワークの考え方、事業評価手法の考え方、ソーシャルネットワークと交通ネットワークの違いと共通点、ITSによるリスク軽減などについて、具体的なお話をいただきました。
質疑応答では、時間信頼性を独立した指標とする妥当性、PDCAのモニタリングツールとしてITSの可能性、ITSの時点評価の必要性(ITSで出来たこと、出来なかったことの総括)、地域誘発交通の重要性、事業化にあたってB/Cだけではなく技術的合理性を俯瞰することの重要性などについて会場から質疑があり、活発な意見交換が行われました。