活動記事
講演では、リアルタイム計測される実世界データと大規模情報処理環境を融合して新しいサービスを実現する手法である、サイバーフィジカルシステム(Cyber Physical System - CPS)についてわかりやすく説明していただきました。
"物理世界"と"情報世界"との対比において、エネルギー保存則などの物理法則が支配する物理世界に比べると情報世界の性能の進歩は大きく、ムーアの法則にあるように、10年で100倍の性能向上が期待でき、量的限界がみえていないとのことです。過去のIT化は、カメラの自動露出や、車のエンジンの制御など、人間の知識を個体に組み込んだものでした。現在のITは、個々の「モノ」がオンライン化、ネットワーク化され、システム自体が学習を行って、更にそれらが外部とつながりフィードバックされています。このように、サイバー社会は無限であり、我々人間の意識も、常にサイバー空間につながっています。
そのような中で、近年、各種のセンサー、データ通信、クラウドが安価になり、センサーネットワークを容易に構築し、多くのデータを収集・蓄積することが可能となってきています。講演では、実際に、先生自ら組み立てたセンサーシステムを使って、先生の研究室のリアルタイムの照度監視状況等を紹介いただきました。
サイバーフィジカルシステムが進化する一方で、センサーから得られるビックデータの活用サービスの実現においては、導入コストと利用のメリットのバランスといった問題があります。ITSは、安全走行、省燃費化といった目標が見えており、サイバーフィジカルシステムが求<められている分野であろうとして、講演を締めていただきました。