活動記事
ホンダのテレマティクスサービス インターナビの企画・開発やプローブ研究の最前線でご活躍されている益田様より、ホンダユーザー向けカーナビサービスと道路管理者向けプローブデータ活用サービスについてご講演をいただきました。
ホンダは2003年からテレマティクスサービスを展開し、事実情報を早く確実に伝えることを理念としたデータ通信費無料のインターナビは、2015年には150万台、年間84億kmの走行実績を有し、年々、確実に増加しているということです。
ユーザーに役立つコンテンツを中心として「位置付き安否確認サービス」や「気象・防災サービス」を全国で展開するとともに、近年、暴風雪災害も多いことから「ホワイトアウト予測情報」を1道13県で実施し、好評を得ているサービスの内容、仕組み、過去の実績等について詳しくご紹介をいただきました。
また道路管理者向けサービスのひとつであるプローブ加工情報について、通行実績情報や自動車交通ビッグデータの活用例、そして降雪期における交通障害情報の活用の可能性について、独自のリスク評価技術を含めて詳しくご説明をいただきました。
質疑応答では、顧客サービスと社会サービスの考え方に関する質問や、ホワイトアウト情報の現況と予測の考え方、経路選択での活用、海外展開の状況などの質問があり、活発な質疑応答が行われました。
高速道路の冬期路面管理について、路面状態判別システム(CAIS)を活用した凍結防止剤最適自動散布システム(ISCOS)を開発している大廣様よりご講演をいただきました。
北海道の高速道路では冬期の路面管理として凍結防止剤を散布していますが、道路構造物への影響やコスト縮減の面から、散布量の最適化が求められています。ネクスコ・エンジニアリング北海道では、ブリヂストンが開発した路面状態判別システム(CAIS)を活用した道路管理について共同研究を行い、実用化した内容について詳しくご説明いただきました。
CAISは、タイヤ内部の加速度センサから得られる路面状況に応じた特徴的な振動波形から7つの路面状態(乾燥・半湿・湿潤・シャーベット・積雪・圧雪・凍結)を判別するシステムであり、ISCOSは、CAISで得られた路面判別データを基に、凍結防止剤の最適な散布量を計算し、剤の適量積込装置で必要量を搭載し、凍結防止剤散布車で必要区間に必要量を自動散布する世界で初めてのシステムということで、札幌近郊の一部区間に導入されています。
ISCOSは、路面状態に合わせて剤散布を最適化することで凍結防止剤の使用量の削減を目指しており、H26・27年の実績では数%~十数%の削減効果が得られたということです。H28年度は削減効果をさらに向上させたいと抱負を語っていただきました。
質疑応答では、システムを活用した時(with)としなかった時(without)の考え方、リアルタイム散布の可能性、気象予測データの活用方法、カメラ画像による路面判別の可能性、GPS精度を考慮した散布区間の考え方などの質問があり、活発な質疑応答が行われました。
第23回ITS世界会議(開催地:オーストリア連邦メルボルン)に参加して、会議全体の概要や印象的だったことなどについてご紹介をいただきました。
世界大会は、アジア・太平洋地域、アメリカ、ヨーロッパ地域から参加しており、総参加者数11,498人、出展団体数236団体、参加国73ヶ国で文字通り世界中からの参加があり大変規模の大きい大会です。 今回の会議のテーマは「住みよい街とコミュニティへ」で、もはやITSは特別なものではなく、社会や暮らしを支える技術として根付いていることが感じられたとのことです。
印象に残ったキーワードとして、次の内容についてわかりやすくご説明をいただきました。
また、高橋様が発表された「アイトラッキング装置を用いた凍結防止剤散布オペレータの視線挙動把握」についてもご紹介いただきました。
国内外の最新の技術動向を把握している高橋様ならではの視点で、大変興味深いご報告をいただきました。
さらに、質疑応答では、会場から、冬期道路に関連してどのような発表や展示が見られたかとの質問に対して、非接触センサを挙げるなど、議論を深めることができました。