活動記事
3月26日に開業を控えた"北海道新幹線"。様々な効果が期待されている中で、開業に伴って変化する「交通ネットワーク」をテーマに、北海道新幹線(東京~新函館北斗)の所要時間をはじめとして、経済効果、新幹線2次交通の状況、道南圏の道路ネットワークのほか、運賃に対する「値ごろ感」、開業にあたっての課題、さらに北海道新幹線のトータルデザインやその中でITSの果たす役割についてご講演を頂きました。
所要時間では「4時間の壁」がキーワードで、JRシェアは新幹線の所要時間と航空機の所要時間の差で説明できることや新幹線の速度に関する課題(トンネル内における新幹線と貨物列車のすれ違い)解決として、トレイン・オン・トレイン(在来線の貨車を新幹線に乗せる)の考えなど興味深いお話をまじえて説明を頂きました。
また経済効果は、交通ネットワークの確立に向けたインフラ整備事業や観光事業のみならず、農業や漁業の関連事業にも波及効果が期待できるなど、北海道における経済効果をはじめとした多方面への効果は非常に大きいと言うことです。
開業後、施設全体の管理や周辺環境をどのように発展させていくべきか北海道新幹線のトータルデザインが重要で、その中でITSの果たす役割を考えていくことが重要と説明をいただきました。
質疑応答では、運賃に関する質問や木古内駅周辺の発展に関する質問のほか、トレイン・オン・トレインに関する質問などがあり、活発な意見交換が行われました。
会社紹介としてエィ・ダブリュ・ソフトウェアの設立経緯や社名の由来、ナビの開発物語や発展、ITSへの貢献、ナビの急激な変化に加えて今後の方法や未来の交通社会、夢のクルマについてご講演を頂きました。
ナビの開発では、当時"怖いもの知らず"だったことと、"決してあきらめない"精神をもって必死に取り組んだ"7人の侍"にまつわるエピソードや今日のナビが1980年代に急速に発展したときの苦労話など大変興味深く説明を頂きました。当初のナビの開発は、京都でレンタカー向けに開発がスタートし、京都中の交差点を自転車でまわって調査したり、取説やポスターまで自作するなど、大変な環境のなかで開発作業に取り組んだそうです。
近年、自動運転が脚光を浴びているが、クルマは移動することの楽しさが大切であり、「自動運転」と言うよりは「人馬一体協調運転」を目指している言うことです。この人馬一体協調運転とは、クルマが馬のごとく機能する人馬一体、人間主体、暖かさと楽しさなどを含む野口講師が提唱する概念です。
最後に「自然に学ぶことの大切さ」、「知恵と勇気」があれば「なんだって出来る」、「技術開発に終わりはない」と技術者にとって一番大切な言葉を頂きました。
質疑応答では、マルチモーダルに関すること、開発の場所、開発の経緯と時期のほか地図情報に関することなど活発な質疑応答が行われました。