活動記事
ご講演では、国土交通省主催の地域道路経済戦略研究会の主旨および組織をはじめ、ETC2.0およびプローブデータの概要、メリット、デメリット、さらにた関東地方研究会や交通工学研究会における取り組みを具体的に分かり易くご説明頂きました。
地域道路経済戦略研究会では、IT技術やビッグデータを最大限に活用し、道路を賢く使うことをテーマとして、2020年を目標に道路政策のイノベーションを企図しています。その中でETC2.0を如何に活用するかが重要なポイントとなっています。
ETC2.0とはITSスポット(アンテナ)とETC2.0車載器・ETC2.0対応カーナビが連携して、渋滞回避支援や安全運転支援などドライバーに有益な情報を提供するサービスで、今後、対応車載器搭載車両が増加していくことにより、今後様々なサービスの展開が期待されています。
ETC2.0を利用して走行履歴情報や挙動履歴情報などの情報を提供および収集し、交通状態を面的・時系列的に把握することにより、道路交通情報の精度向上、交通渋滞対策や交通安全対策への活用が可能となります。走行履歴情報が収集されるため、プライバシーの侵害が懸念されますが、これらプローブデータは、起終点では500m程度のデータが消去されたり、1日単位で車両IDが変更されたりと個人情報の保護も配慮されています。
関東地方研究会では、リアルタイム性を考慮したデータ活用およびETC2.0プローブデータを活用した公共交通支援の可能性をテーマにした様々な活動から、交通計画・道路管理施策への展開に取り組んでいます。
また交通工学研究会では、 旅行時間信頼性という観点の必要性を重視して、仮想ETC2.0データを用いてネットワークレベルでの時間信頼性評価手法の開発を目的に活動しています。
最後に北海道を対象とした「観光流動の時空間特性の解明と広域回遊促進施策の評価」のなかから、札幌・旭川間の挟域観光流動の特性をご紹介頂きました。
講演後の質疑応答では、データの信頼性に関することやデータ可視化の方法について、他のビックデータとの融合の可能性など、活発な意見交換が行われました。