活動記事
北海道地域における冬期の物流課題と地域活性化支援・物流の効率化に対するヤマト運輸のこれまでの取り組み、そして流通事業者・運送事業者の垣根を越えた物流プラットフォーム構想について、渋谷様よりご講演いただきました。
ヤマト運輸の北海道における物流ネットワークは660の幹線輸送、1,800人のセールスドライバーを擁しており、これを活用することで安否確認、徘徊者情報の提供、及び買い物支援といった地域の高齢者の生活の支援や、道路災害に関わる情報収集について自治体と連携して取り組んでいるとのことです。
また、広域分散型社会を形成している北海道地域において、将来にわたって物流ネットワーク、物流サービスを維持していくには、これまで以上に情報共有、物流の効率化を推し進める必要があり、道の駅を活用した物流ネットワーク社会実験や、バスによる貨客混載輸送などの事例を踏まえて、物流の「オープン・パブリック・プラットフォーム」構想についてご紹介いただきました。
質疑応答では、北海道地域における冬期の道路課題、物流課題の解決に向けて、道路緊急ダイヤル(#9910)の活用や、プローブ情報の提供可否などの質問があり、活発な質疑応答が行われました。
国交省の「建設技術開発助成制度」を活用した視程障害・吹きだまり検知に関する技術開発の概要と今後の展望について、代表研究者を務められている正岡様よりご講演いただきました。
同技術開発では、株式会社 シー・イー・サービス、一般社団法人 北海道開発技術センター、及び北海道大学の3者による共同研究であり、学識経験者、道路管理者、及び気象・雪氷の専門家からなる委員会から助言・指導をいただきながら進めてきたとのことです。
3カ年に渡る研究の成果として、道路カメラ画像を活用した面的吹雪量の推計の概要、吹きだまり判別モデル(決定木分析による判定樹形図)、及び吹きだまり深さ推計技術(累積吹雪量と吹きだまり深さの関係式)といった要素技術と、これらを組み合わせること実現した情報提供プロトタイプシステムについてご紹介いただきました。
情報提供プロトタイプシステムでは、道路カメラ画像、及び気象データ(降水短時間予測GPV、メソ数値予測モデルGPV)を基に、面的な吹雪状況、吹きだまり発生区間や、路線内の吹きだまり深さについて予測情報を試行的に提供したとのことです。
質疑応答では、吹きだまり予測モデルにおける吹走距離や路側の雪堤の影響等、具体な質疑応答が行われるなど議論を深めることができました。